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水沢めぐみ『チャイム』

水沢めぐみさんのコミックスは私の本棚の中でも一番目に付くところに並べてあるんですがわーい、先日むしょうに『チャイム』を読みたくなったので読みましたv

上に紹介しているのは文庫版の1巻ですが、私は勿論普通のコミックスで持ってます。全3巻。表紙の絵は1巻と一緒ですね。
3巻くらいなら一気に読める巻数ですが、忙しかったりもしたのでやっと全部読めましたたらーっ

個人的には、水沢さんの作品の中で言えば特別な存在ではないんですが、基本的に水沢さんの作品はどれも素晴らしいので。
やっぱり、魔法が使えたりお姫様だったり、そういうのとは違って普通の女の子の割りと地味な話なので、一般的にも水沢作品の中で比較的目立たないとかそんな位置づけで語られる作品かもしれません。でもやっぱり水沢さんの作品っていうのは、派手さよりも、読んでいて安心できたり、心が穏やかになったり、そういうのが魅力だと思うんですよね。

ヒロインの朝子は、内向的で結構うじうじしちゃうようなタイプです。こういうタイプって、受け付けない人は受け付けないんですよねたらーっ
かくいう私も、姫ちゃんリボンとか結ちゃん(ポニーテール白書)みたいなタイプの方が好きですけど。やっぱり、少女漫画のヒロインって、「元気いっぱい」なタイプの方が一般的に受けはいいですよね。
私にとっての憧れのヒロインははいからさん(大和和紀『はいからさんが通る』)ですしポッ
広告スペースのキャラ紹介で、作者本人と「性格が近いかも」とおっしゃっていますけど、たしかに水沢さん自身の実話を元に描かれた『おしゃべりな時間割』のヒロイン・千花と一番似たタイプのキャラかもしれないと思ってなんか納得(笑)。

内向的なのはともかく、思考がやたらとセンチメンタルで乙女ちっくなんですよね。モノローグにそれがよく表れているけど。
そういうのが、十代前半の私には少し気恥ずかしさを感じさせたかもしれません。
なんていうか、ちょっとした事で「めくるめく恋の予感ラブラブ」みたいな思考と言うか妄想に走ってしまうようなところが当時の私にはありましてね(苦笑)。でも一方で、「そんな訳ないし。恥ずかしい奴だな。」みたいに冷静に自分にツッコミを入れる私、というのも存在していて。寧ろそんな自分は恥ずかしいと感じていただけに、あんまり「乙女ちっく」やられちゃうと気恥ずかしさと寒さを感じてしまってましたね。今考えれば、十代のうちなら若さゆえのあやまちって奴で許されるよな、って思うんですけどね。だから逆に当時より素直に乙女ちっく路線を受け入れている私がいます(笑)。まあね、自分自身とどこか重ねてしまう年代から、完全に他人事になってしまった年代へと私自身が推移してしまったから(苦笑)。自分自身と重ねさえしなければ、恥ずかしさなんて感じずに済むしたらーっ
ほんと、十代の頃なんか絶対に、センチメンタル乙女ちっくのふたつの言葉を肯定的に使うことはなかったです(笑)。

まあ、そんな関係で、最初に読んだ時よりずっとヒロインに対しては好意的に読めていると思うんですよ。
やたらとセンチメンタルなモノローグ、なんてのも最近の少女漫画じゃほとんど絶滅状態だし、なんかああいう雰囲気いいですよね、うんニコニコ
最近の作品にくらべると、深みみたいなものもあるなと感じました。死という重い展開もあったりして。それに比べると最近の作品って結構ぬるいんだなとかは思いましたね。別にだからってなんでもないんですが。
年齢的なものもあるのかなあ? 若い頃の方が重い話とか描きたいと思いますよね。年をとっていくとそういう感性が鈍くなっていってしまうんですよ。今まさに私が実感している最中でして(滝汗)。

絵柄にもまだ昔の少女漫画という雰囲気が残っていて、今読むとかえって好意的に思います。当時は一昔前の少女漫画って絵的に受け付けなかったんですよ。ウテナにはまって次第に受け付けるようになって、今じゃすっかり「少女漫画はやっぱ70年代v」なんて言ってるくらいで(笑)。

そうそう、絵といえばね、作風の変化にもっと驚くんじゃないかと思っていたんですよ。最近も水沢さんの最新作を読んでいますし、一方で当時の作品はここ何年読んでませんから、そのギャップを感じるんじゃないかと。
でも拍子抜けなくらい、全然違和感なかったんですよ。
勿論、絵柄は随分変化していますよ。造形的には結構差はあるはず。なのに、印象としてはそんなに違うようには思わない。それが寧ろびっくり。
まあ、一番熱心に読んでいた時期の作品だし、記憶に強く残っていた、というのはあるかもしれませんけどね。
絵柄というのは、寧ろ変化するのが普通ですよね。時代によって流行というものはあるし、水沢さんの絵柄もそれに対応するように変化している。意図的に対応させたのか、自然な変化だったのかはわからないけど。
でも、劇的な変化というのはなかったです。流石にデビュー当時の絵柄は全然違いますけど。別人かと思うくらいに。しかし、『ポニーテール白書』以降だと、知らない人が見ても同じ人が描いてるってすぐ判る程度の変化かもと思いますし、やっぱり比較的に変化の幅というのは小さい作家さんかも知れませんね。
時代の流れに沿った程度の変化なら、印象としてはそうは変わらないのかも。
しかし長く描いていると、言い方は悪いけど明らかに劣化してしまった漫画家さんも結構いらっしゃいますよね。そこへいくとやはり、これだけ長い期間クオリティをしっかり維持(寧ろ向上?)していらっしゃるというのは、本当に尊敬に値することです。

まあそれでも、今見るとこの頃の絵って安定感があるし、一番良い時期かなって感じもします。今の絵は今の絵で大好きなんですけどね。

具体的に一番変わったのは目の描き方でしょうか。瞳と言うよりは、まぶたのライン?
瞳自体も随分大きくなりましたけど、それは矢張りりぼん全体の流れと言うか。。。なんか寧ろ水沢さんがその流れを作ったみたいに言う人がいるけど、個人的にそれは納得いたしかねます(苦笑)。
上まぶたのライン、カーブが小さめだと思うんですよね、昔の絵柄の方が。それって多分、少女漫画全体的な流れだと思うけど。水沢さんって特にクセのある絵ではないし、昔は結構どの漫画家さんもそんな目の描き方だったと思う。

最後に掲載されている番外編で「ハッピーアイスクリーム」って言ってますね。当時は意味がわからなくてスルーしていたと思うなあ(笑)。
大和和紀さんの『アラミス’78』読んで知ったんですけど、二人で同時に同じ事を言った時「ハッピーアイスクリーム」と早く言った方がアイスをおごってもらえる、という遊びらしいです。アラミス’78でこのエピソードが登場したのが1981年です。当然、私の知らない時代の文化ですね。。。鯖読みたがるわたしですが、これはほんと(笑)。
それに対してチャイムでこの台詞が出たのが1990年ですか。その頃そんな事言ってたかなあ?『アラミス’78』に対するオマージュだったりして(笑)。
っていうか、ほんとにそんな遊び流行ったんですか?(汗)

まあ、この番外編は主人公達が小学生の頃の話なんです。キャラのプロフィール見ると、生年月日の生まれた年まできっちり記載されてるんですよ。74、5年生まれ。ってことは小学6年なら86年くらい?設定的には。
生まれ年まで設定してあると、リアリティー感じますね。今読んでも「年上のお姉さんの話」という気がする(笑)。朝子は今32歳なんだね。

posted by: イチヰ | 漫画・りぼん系 | 02:15 | comments(0) | trackbacks(0) | - |

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